尾木 洸

どうも尾木です。よろしくお願いします。

あなたはどうする?~トロッコ問題~

始めに

どうもこんにちは。自己紹介以降初の投稿です。つたない文ではあるかとは思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。

さて初のお題ですが、皆さんトロッコ問題という思考実験をご存じでしょうか。

ご存じの方もいらっしゃるかも知れないですが概要を説明します。

ロッコ問題ってなんぞ?

ロッコ問題とは哲学に分類される倫理学でよく議論される思考実験のひとつである。

さあ目を閉じて想像して...やっぱり文字が読めなくなるから目は開けて考えてみてください。

先に分かりやすく表現するとあなたは暴走するトロッコを見過ごして5人を犠牲にするか進路を変更して1人を犠牲にすることを選択するのかという問題だ。

 

 より詳しく表現するならば

あなたの目の前に線路が通っています。線路の先には分岐があり、一方の分岐先では5人の作業員が働いています。他方では1人の作業員が働いています。

おっと!反対の方向から暴走したトロッコ(電車)が走ってきた!もうブレーキも利かない。このままでは5人の作業員のいる線路に突っ込んでしまう!

もしこのままであれば5人とも助からないだろう。しかしあなたは幸か不幸か進行方向を変更できるレバーが手元にある。レバーを引けば分岐先を1人の作業員の方向に変えられる。だがレバーを引くと1人の作業員を犠牲にすることになる。

あなたはレバーを引きますか?

 

          ・はい           ・いいえ

 

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トロッコ問題のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

この議論は何のため?

 

数の正義?心の正義?

あなたはどちらを選択しましたか?

実はこの問いに答えは存在しない。この問題の大事なところはどちらを選んだかではなく、あなたがどうして選んだかである。

要するに判断した理由こそ議論の本題である。

難しい言葉で説明するのであれば功利主義と義務論の間の論争である。

功利主義であるならば数に質など求めない。平等に1としてカウントする。

命の数で考えるなら5人を助け1人を切るべきである。

義務論では自分が「~しなければならない」と直感的に感じたことが正しいことであり、正しさは結果や目的のために為すものではない。

なので5人が助かるからと言って他に自己判断の理由を求めてはいけない。

1人を助けたいと感じたならそれが正しいことなんだ。

そもそも正しさってなんだ?

さらに考えなければならないことがある。

それは責任の問題だ。

「5人が助かるなら1人には申し訳ないけど...」とレバーを引いたあなた。

         ー人を殺しましたね、あなたの手でー

私は刑法には疎いが、もしかしたら「さあ署までご同行願おう」となってしまうかもしれない。

だがあなたは思うだろう「5人を助けたんだぞ!」

その通り。あなたは作業員5人からもしくは大半の人から英断をしたとも語られるかもしれない。

逆にあなたはレバーを引かなかった。それは責任を恐れてか自分の正義のためか。

だがその行為は見殺しであり無視である。世間一般ではこの行為を褒めたたえる者は多くはないだろう。しかし見方を変えれば運悪く目撃してしまっただけにすぎない。あなたはこの件に全く関与していないことになる。

 

さあ、どちらを選択したあなたでもこの先一生この問いを抱き続けるだろう。

    「正しい行いなはずだったのに...いや、正しさってなんだ?」

 

〔哲学さんがログインしました〕

哲学「やあ!ぼくの出番だね!」

 

失礼。くだらないことを書いてしまいました。だが、ここから哲学は始まる。

人がトロッコ問題のような答えの出せそうもない疑問にぶつかる。その疑問に対して「まあ、世の中難しいことだらけだよね。考えても仕方ないよ。」と割り切れずにいる頑固者たちがいた。彼らはそんなふとした疑問に数年、数十年人生を費やし考える。そして彼らはたどり着く。仕方ないで片付けられていた概念をひっくり返す、いつかは万人に受け入れられる新しい価値に。そんな思想の開拓者を哲学者と呼ぶ。

なんだか哲学や哲学者がかっこよく思えるのではないだろうか。

少しでも哲学に興味を持っていただけたでしょうか?

また、あなたはどう考えたか良ければコメントください。他の視点からの意見はとても参考になります。

今回はここまでです。ありがとうございました。

 

おまけ

you「お前、議論を投げかけるだけ投げておいて、答えも意見も言わずにどこ行くんだよ」

すみません。実は私自身の答えを先に述べるとあなたの回答に影響を及ぼすと思って伏せていました。というのは建前で本当は自分の答えが情けないものだったのであまり書きたくなかったのです。しかしまあ、おまけまで読んでいただいて言わないわけにもいかないのでつまらないものですが...

正直分からん。ただ理想であれば5人を助けるつもりだ。そりゃ1人か5人だったら、1が知り合いでないかぎり数でしか判断しようがないもの。

しかし現実的に考えたならわたしはレバーを引かないだろう。恐怖で引けない。トラウマ確定演出。

 

こんな状況に立ち会わないことを願うばかりである。

             murin「5人を助けたいけど怖いから引けない」

 

もう一つトロッコ問題で付け加えることがある。それは私が述べたトロッコ問題に条件を付け足して思考を発展させることもできる。例えば5人側の作業員は違法業者であって違法行為真っただ中。1人の作業員は正規の作業員だった。この問いになると答えが変わる人もいるのではないだろうか。

では条件次第で命の重さが変わってしまうものなのだろうか?という新たな問いが発生する。

このように条件を自分で設定して友人や家族と議論してみると、新たな一面を発見することができるかもしれません。また他人の意見で自分の考え方が変わるきっかけにもなるはずだ。